出勤時に電車が止まった日、あなたはどう動きますか?
人の流れを信じてついていったら、まさかの結末が待っていました。
ついでに、こういう時の労災の話もしっかり押さえておきましょう。
先日、いつも通勤に使っている路線が止まってしまいました。
こういう時のために、迂回ルートは一応確認してありました。……が、そちらもまさかの運休。
仕方ない、電車は諦めてバスで行くことにしました。
動いている路線の駅までバスで向かい、そこから電車に乗り換える作戦です。
予定通りバスを降りたものの、土地勘のない場所、しかも生粋の方向音痴。
乗り換え駅がどっちなのか、まったくわかりません。
そこで、道行く人たちをよーく観察してみました。
みんな同じ方向に歩いていくではないですか。
これは、ついていけば駅に着くやつだ。
……でも、なんか違う。本能がざわつきます。
近くでティッシュを配っていたお姉さんに聞いてみました。
「皆さん、どこに向かっているんでしょうか?」
「……会社じゃないですか?」
そう、駅ではなく、普通に出勤中の人の波でした。😅
「みんなが同じ方向=正解」だと思い込んでしまう心理
この感覚、前にTBSラジオで安住紳一郎さんが話していたエピソードを思い出しました。
台風か何かで、午後からJRが止まることが決まった日。
急に人の流れが変わって、なぜか皆さんデパ地下に向かい始めたそうなんです。
「これは何かあるぞ」とついて行ったら、まさに今並べられたばかりのお弁当に、
瞬く間に値引きシールが貼られていく瞬間だったとか。
あの有名店、いつか食べてみたいと思っていた高級店のお弁当が値引きに。
JRが止まる前にみんな帰ってしまいますもの。
知ってる人は知ってる。
私が期待したのは、まさにこの「知る人ぞ知る流れ」だったわけです。
結果は……ただの出勤ラッシュでした。笑
社会人たるもの、通常ルート以外の迂回経路は電車だけでなくバスもちゃんと確認しておかないとダメでしたね。
いざというとき、方向音痴がティッシュ配りのお姉さんに聞いている場合ではありません。
通勤中のケガは労災保険の対象です。
ここで、ひとつ大事なはなしを。
通勤途中のケガなどは労災保険の対象です。
対象になるのは、会社に届け出たルートかどうかではありません。
「合理的な経路及び方法」かどうかで決まります。
通勤手当を計算するために会社へ届け出るルートとは、別のはなしです。
・通勤のために通常利用する経路が複数ある場合、それらの経路はいずれも合理的な経路となります
・当日の交通事情により迂回した経路も、合理的な経路となります
寄り道をした場合はどうなるか。
ここにも決まりがあります。
通勤の途中で経路をそれたり、通勤と関係ないことをしたりすると、その間は「通勤」ではなくなります。
ただし、それが日常生活に必要な行為で、やむを得ず、必要最小限の範囲であれば、通常のルートに戻った後は通勤に戻ります。
| ケース | 労災の対象 |
| 通常の通勤ルートでのケガ | ✅ 対象 |
| 電車遅延などで迂回したルートでのケガ | ✅ 対象 |
| 帰宅途中に病院に寄った後のケガ | ✅ 対象*1 |
| 帰宅途中に美容院に寄った後のケガ | ✅ 対象*2 |
| 帰宅途中に映画館や友人宅に寄った場合 | ❌ 原則対象外 |
*1)病院への通院は日常生活上必要な行為とみなされます。ただし通常の通勤ルートに戻った後が対象です。病院の中でのケガは対象外です。
*2)美容院も同様に扱われるとされています。こちらも通常の通勤ルートに戻った後が対象です。美容院の中でのケガは対象外です。
ポイントは「日常生活に必要な行為かどうか」と「通勤ルートに戻った後かどうか」です。
くわしくは東京労働局「通勤災害について」のページで確認できます。
ちなみに、経路の近くのお手洗いを使う、経路上のお店でジュースを買う。
この程度は「ささいな行為」とされていて、寄り道にも入りません。
◆ おばちゃんからひとこと
人の流れについていったら会社でした。当たり前ですよね。朝ですもんね。
安住さんのデパ地下理論、通勤には使えませんでした。
でも、もし路線が止まったのが帰り道だったら……値引きシールを狙いにいっていたかもしれません。
その場合、デパ地下からの帰り道のケガは対象外……と思いきや、これが対象になりそうなんです。
お弁当は、りっぱな「日用品の購入」。
ちゃんと通勤ルートに戻れば、そこからは通勤に戻ります。
制度は、意外とやさしい。
値引きシール、狙いにいってもいいみたいです。😄
なお、労災保険の適用については会社の担当者や労働基準監督署にご確認くださいね。
※2026年9月時点の制度です。
ちなみに、やっとの思いで会社にたどり着いたあとにも、地味な戦いが待っています。


