実家の片付けで、ゴミ袋に入れる直前に見つけた小学生の作文。その夢を、世界最高齢の総務部員さんも持っていました。
もう誰も住まない実家を、解体の前に片付けていたときのことです。
押し入れの奥から、段ボール箱が出てきました。
中身は、子どもたちの通知表、絵、作文、賞状など。
両親が、とっておいてくれたものです。
ただ、子どもが5人もいると、整理どころではありません。どれも雑に放り込んであります。
ひとつひとつ見ていたら、日が暮れてしまう。
だから、どんどんゴミ袋に入れていきました。
そのとき、なぜか、手が止まったんです。
小学生のおばちゃんが書いた、作文でした。
「文章を書く人になりたい」
すっかり忘れていた夢が、そこに書いてありました。
世界最高齢の総務部員さん
そんな作文のことを思い出していたとき、ある方の記事を読みました。
大阪の専門商社、サンコーインダストリーで働く、玉置泰子さんです。
2020年、90歳のときに、ギネス世界記録の「世界最高齢総務部員」に認定されました。入社は1956年。総務一筋、64年でした。
今年、玉置さんは96歳。勤続70年、今も現役の総務課長だそうです。
同じ総務として、頭が下がります。
「物書きになりたい」と思っていたこともある
2022年11月のインタビュー記事で、玉置さんはこう話しています。
「子どもの頃は『物書きになりたい』なんて思っていたこともあるんですよ。」
ご両親は文学好きで、世界文学全集が今も残っているそうです。読んできた本は、4000冊以上。
家計を支える必要があって、その夢は諦めたといいます。
でも、話はそこで終わりません。
「100歳で退職したら、エッセイを書いてみたいんです。」
人と本をテーマにした、エッセイだそうです。
「100歳まで働いてくださいね」と言われたときも、「8年なら、意外とすぐかもしれない!」と思ったそうです。
夢には、寄り道があっていい
読んで、思いました。
夢は、なくなったのではなく、「あとで」にしていただけなのかもしれない。
おばちゃんも、そうでした。
衝動で8回も転職して、気づけば総務を40年。作文のことなんて、すっかり忘れていました。
それが、65歳でブログを始めて、50記事も書いています。
玉置さんは、92歳で『92歳 総務課長の教え』という本も出しています。もう立派な「書く人」です。
それでも、100歳からのエッセイを、まだ夢として取ってある。
総務の大先輩で、人生の大先輩。かないません。
※玉置さんに関する情報は、記事・資料の時点のものです。
おばちゃんからひとこと
あの日、ゴミ袋に入れる前に作文を見つけられて、よかった。
小学生の自分に、「やっと書いてるよ」と言えました。
玉置さんの「人と本」のエッセイまで、あと4年。「意外とすぐ」だそうです。
そのときは、総務の後輩として、いちばんに読ませてもらいます。
