前回の記事では、A君に届いた「国民年金保険料追納のご案内」のハガキについて説明しました。

あれから数日後、A君が再びおばちゃんのところにやってきました。
「あの、どうせ払わないといけないなら、少しずつ払おうと思うのですが。社長にも早めに払った方がいいと言われたので。奨学金の返済もあるので払える額は少ないのですが……どうやって手続きするんですか?」
おとなしいA君が自分で決断してきた。えらい!😊
まず、いくら払えばいいのか確認する
追納は一括で払う必要はありません。
まずは、いつ、いくら、払えばいいかの確認からです。
A君のハガキには合計約80万円と記載されていました。
一緒に調べてみました。
古い年度から、1か月分ずつ
追納には順番の決まりがあります。原則として、古い期間の保険料から順に払います。好きな年度を選べるわけではありません。
A君の場合、いちばん古いのは令和3年度分でした。
令和3年度分を令和8年度に追納すると、1か月あたり17,110円。A君は8か月分なので、136,880円です。
これも一度に払わなくて大丈夫です。申し込んだ分の納付書は月ごとに届くので、1か月分(17,110円)ずつ、8回に分けて払えます。
追納申込書には、追納したい期間ごとに支払い方法を選ぶ欄があります。全部一括か、1か月分ごと・2か月分ごと・3か月分ごと・4か月分ごと・6か月分ごとの分割か。なぜか5か月分ごとだけありません。
ちなみに1か月分の保険料は、年度によって1万6千円台から1万7千円台です。
手続きの流れ
追納の手続きはこの4ステップで進みます。
① 追納申込書を提出する
「国民年金保険料追納申込書」は、ねんきんネットの画面上でダウンロードできます。必要事項を記入して、年金事務所の窓口に持参するか、郵送で提出することもできます。市区町村の国民年金窓口でも手続きできます。
持参する場合はマイナンバーカードを忘れずに。お持ちでない場合は、マイナンバーが確認できる書類と身元確認書類(運転免許証など)の2点が必要です。
② 通知書と納付書が届く
申込書を提出してから1〜2か月後に、日本年金機構から「追納保険料額通知書」と「納付書」が届きます。
③ 納付書で払う
届いた納付書を使って、金融機関・郵便局・コンビニエンスストア・電子納付(Pay-easy)・スマートフォンアプリで納付します。口座振替とクレジットカード払いは使えません。
④ 年末調整で申告する
ここを忘れる人が本当に多いんです。次の項目で説明します。
追納したら年末調整で忘れずに!
追納した保険料は社会保険料控除の対象になります。
会社員の場合は年末調整で申告できます。「給与所得者の保険料控除申告書」の社会保険料控除欄に追納した金額を記入し、日本年金機構から届く「国民年金保険料控除証明書」を添付して提出しましょう。
せっかく追納したのに、年末調整で申告し忘れると損をしてしまいます。控除証明書は大切に保管しておいてくださいね。
おばちゃんからひとこと(追納のミニ解説)
・追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の期間です
・免除を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料額に加算額が上乗せされます
・A君の令和3年度分も、当時は月16,610円でした。それがいまは17,110円。1か月あたり500円、8か月で4,000円ぶん増えている計算です
・早く払うほど加算額は少なくて済みます
制度のしくみは日本年金機構の「国民年金保険料の追納制度」のページでも確認できます。実際のお手続きは、お近くの年金事務所にご相談くださいね。
※2026年8月時点の制度です。
◆ おばちゃんからひとこと
手続きの説明を終えたあと、A君がぽつりと言いました。
「……奨学金と年金と、若いうちからお金のことって大変ですね」
でも、ちゃんと向き合えてるじゃないか。えらい。
後日、社長がA君に声をかけていました。

年金、手続きしたか?

はい、しました

よし。
それだけです。でも社長、ちゃんと気にかけていたんですね。


