普段は法改正に紐づく相談がほとんどですが、今回は法改正ではなく、知らない人が多い「65歳からの介護保険」についてです。
65歳になって「えー!😱」とならないように、ちょっと聞いてください。
介護保険って、給与明細のどこにある?
介護保険の対象者は40歳以上。なので若い人は見たこともないし、気にしたこともない、という方が多いはずです。
40歳になると給与明細に登場しますが、正直あまり目立たない存在です。
幕の内弁当で例えるとこんな感じ。

- 🍤 厚生年金保険料 → 天ぷら・焼き魚・唐揚げ。一番目立つ主役
- 🥗 健康保険 → 野菜の煮物・肉炒め。これがないと困る
- 🥚 介護保険 → 酢の物・卵焼き・かまぼこ。あるけど目立たない
- 🥒 労働保険 → 漬物。必ずあるけど、たくわんでもしば漬けでも昆布の佃煮でも文句なし
介護保険は漬物よりはちょっと存在感があるくらい。😄
現在の社会保険料(本人負担分)計約15.5%
| 種類 | 料率 |
| 厚生年金保険 | 9.15% |
| 健康保険 | 4.925% |
| 介護保険 | 0.81% |
| こども子育て支援金 | 0.115% |
| 労働保険 | 0.5% |
これは給与明細書上の支給額ではなく、標準報酬月額(4月・5月・6月の給与の平均)に掛けた金額が控除されます。
介護保険は0.81%なので、標準報酬月額25万円だと月2,025円。確かにあまり気になりません。
ちなみに住民税は会社が預かって市区町村に納めているだけなので、社会保険料とは別物です。
65歳になると、いきなりスポットライトを浴びます
ここからが本題です。
65歳になると第一号被保険者に切り替わり、介護保険料の仕組みがガラッと変わります。
| 項目 | 64歳まで | 65歳から |
| 支払い方法 | 給与から天引き | 年金から天引き(特別徴収) |
| 金額の決定 | 全国一律の料率 | 市区町村ごとに決定 |
| 金額 | 比較的少ない | かなり増える! |
◆ 65歳から増える理由
「第一号被保険者に切り替わるから」……なんて言われても、ピンとこないですよね。理由はもっと単純な話です。
理由その1。実は今、会社が半分払ってくれています。
給与明細に書かれている介護保険料は、じつは全額ではありません。ぴったり半分です。残りの半分は、会社が払っています。厚生年金も健康保険も同じで、明細に載っている金額の裏側に、同じ額を会社が出しているんです。
65歳になると、この「会社が払っていた半分」がなくなります。全額が自分の負担になる。これだけで単純に2倍です。
理由その2。計算のもとが変わります。
64歳までは「給料の0.81%」でした。給料に応じた割合です。65歳からは「住んでいる市区町村が決めた金額」がもとになります。そこに所得に応じた段階をかけて決まります。
つまり、給料に連動する仕組みから、地域が決めた金額をベースにする仕組みに変わるわけです。だから、同じくらいの収入の友人でも、隣の市に住んでいると金額が違う、ということが起こります。
ちなみに65歳以上の保険料は、全国平均の基準額が月6,225円(2024年度〜2026年度)。さきほどの例、標準報酬月額25万円で月2,025円だった人が、3倍前後になるイメージです。
弁当にたとえるなら、会社が半額出してくれていた社員弁当が、65歳から全額自腹になって、しかも仕出し屋さんが市役所に変わる。そんな感じでしょうか。
65歳から増える理由
そうなんです。65歳からの介護保険料は市区町村が決めるので、お住まいの地域によって金額が変わります。そして給与天引き時代と比べると、金額がかなり増えるケースがほとんどです。
年金明細を見て「えー!😱」とならないように、頭の片隅に入れておいてくださいね。
おばちゃんからひとこと
◆ おばちゃんからひとこと(介護保険料のミニ解説)
- 介護保険の被保険者は、65歳以上が「第1号被保険者」、40歳から64歳までが「第2号被保険者」です
- 64歳までは健康保険料と一緒に給与から天引きされ、会社と本人が半分ずつ負担します。2026年度の協会けんぽの介護保険料率は1.62%で、本人負担はその半分の0.81%です
- 65歳からは保険料が全額自己負担になり、金額は市区町村が3年ごとに決める基準額に、所得段階に応じた割合をかけて決まります。同じ収入でも住んでいる市区町村で金額が変わるのはこのためです
- 65歳以上の保険料は、原則として年金から天引き(特別徴収)されます。年金が年額18万円未満の方などは、納付書での納付(普通徴収)になります
- 記事の料率は2026年度のものです。健康保険料率は都道府県によって異なり、健康保険組合に加入している場合はさらに別の料率になります
- ご自分の保険料の段階や金額は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。制度のしくみは厚生労働省「介護保険の保険料(第1号被保険者)」のページもご覧ください
※2026年8月時点の制度・料率です。協会けんぽの料率は毎年度、市区町村の介護保険料は3年ごとに見直されます。
総務としては、65歳になる社員が出ると「あ、介護保険止めなきゃ」と手続きします。止め忘れると二重取りになってしまうので、地味に緊張する作業です。20代のときに、自分が65歳になる将来なんて想像できないですよね。おばちゃんもそうでした。
でも必ずいつか訪れます。
幕の内弁当の酢の物くらいの存在感だった介護保険料が、65歳を境に主役級の存在になる。知っているだけで、いざというときに慌てずに済みますよ😊